12月中旬ですが、温かい日が続いていますね!
12月9日(火)の午後、施設長の松井さんと、スタッフの小西が、四日市看護医療大学で講義を行いました!
大学の講義のひとつに「精神看護援助論Ⅰ」というものがあり、様々な精神障害についてや、精神障害者の地域移行についてなどの内容になっています。
その中で、「デイケア」や「就労継続支援A型・B型」などの、福祉事業所のお話が出てきます!
「就労移行支援事業所」の内容もあります。
しかし、それぞれの事業所の違いについて、普段なじみがない方は、教科書の説明だけではよく分からなかった…と思うことも多いと思います。
そこで、福祉事務所のひとつである「就労移行支援事業所」について、より理解を深めてもらうため、ゲストスピーカーとしてユニバスタッフが講義を行うことになりました!
今回、講義を受講してくださったのは、大学2年生の学生さんたちです!
2年生までは、大学内での座学が中心になるそうです!
看護大学では、3年生から本格的に外部(病院など)での実習が始まります。
ユニバにも毎年実習に来てくださっています!
ですが、実際に将来的に看護師としてのお仕事が始まった時、大切な「ある視点」が欠けてしまうことがあるそうです。
皆さんがもし「看護師のお仕事をすることになった」と考えてみて、精神障害のある患者さんにどう対応するといいと思いますか?
- 「病気の再発防止のために、ちゃんと薬・睡眠の管理をしてあげなきゃ」
- 「症状について教科書で学んだけど、体調が不安定そうだし、働けるようになるのかな…?」
- 「社会復帰できるように、できることは何でもしてあげたい」…
色々な考え方がありそうです。
その中でも、ユニバは今回、看護師を目指す学生さんに伝えたい「視点」がありました。
講義では、はじめにユニバについての簡単な説明を行いました!
ユニバは「就労移行支援」を行っていて、主に精神障害のある方を、障害者雇用での一般就労につなげる支援を行っています。
身体障害の方や、手帳をまだ取得していない方でも利用可能です!
就労のための「学校」という表現が一番近いかもしれませんね。
「就労」ではないため、利用中に給料が発生しません。
また、伊勢おやき本舗(食品製造)、トレーニングカフェSprout(スプラウト)といった姉妹組織があり、ユニバの座学だけでなく、現場での訓練が幅広くできることも大きな特徴です!
伊勢おやき本舗、スプラウトは「就労継続支援B型」の方が働く場所でもあります。
B型は、雇用契約を結ばない福祉的就労です。
A型は、雇用契約を結び、給料も最低賃金が保証されます。
それぞれのサービスの違いも、最初はややこしいですよね…!
説明の後、小西がプレゼン発表を行いました!
ユニバの利用を通して自分がどう変わったか、また、病気について・これまでの経歴について等をお話ししました。
小西には、「場面緘黙症」と「社交不安障害」という病気がありますが、ユニバでの訓練を通して少しずつ話すことができるようになりました。
現在は職員としてユニバで働いていますが、利用者の生の声でもあるため、学生さんにもよりユニバについてリアルに伝わったのではないかと思います。
そしてその後、「ユニバが大切にしていること、抱える悩み」について松井さんからお話がありました!
ユニバでは、就職へ向けた支援を行ってはいますが、その主体となるのは「利用者本人」という考え方をとっています。
患者さんに対して、看護師・支援員といった立場になると、どうしても、
- 「薬をちゃんと飲んで、しっかり眠ってもらわないと…」
- 「困っていることを全部解決してあげなきゃ」
- 「社会的なルールをしっかり教えないと」
など、どうしても管理する側の視点になりがちになってしまいます。
ユニバ施設長の松井さんは、過去に看護師として働かれていたことがあります!
実際に、現場にいた当時、気づかないうちに患者さんに対して管理視点になってしまうこともあったそうです。
しかしユニバでは、就労にあたって、支援員があまりに助けすぎてしまうと、
- 利用者本人が自分で決めて進んでいく力を奪ってしまう
- 利用者本人が、自分の人生を自分で歩んでいる感覚が無くなってしまう
- 自分で決めてその責任をとることをしていないため、「支援員がこう言ったから」など、どうしても他人のせいにしてしまいがちになる
など、様々な弊害が出てきます。
「短期的なやさしさ」と「長期的なやさしさ」があることについてもお話がありました。
例として、利用者が何か困ったことがあり、相談したそうに、支援員の机の近くに来てもじもじしている場面を考えてみましょう!
ここで、「どうしたの?何か困ってますか?」と支援員のほうから声をかけると、確かにその瞬間は利用者を助けられます。
(これが、「短期的なやさしさ」にあたります。)
しかし、利用者が会社に行って働くことを考えると、利用者の方から声をかけるまで、じっと耐えて声をかけないでいる方が良いということがあります。
利用者から声をかけられるように、力をつけてもらうためです。
(これが、「長期的なやさしさ」にあたります。)
特に、企業は福祉ではないため、精神障害について理解があまりない人もまだまだ多いです。
そのため、長期的なやさしさと目線で、利用者に対応する必要があります。
それでも、利用者の方には様々な特性・苦手なことがあります。
毎日どのようなバランスで支援をしていくか、悩みながら支援をしています。
また、スティグマ(負の烙印)についてのお話もありました!
自分や家族に精神障害がある…ということについて、
- 受け入れられない
- 認めたくない
- バレたくない
- これは性格であって病気じゃない!
…という考えを持つ人もいます。
そこには、精神障害に対しての偏見・差別が大きく関係しています。
スティグマがあると、
- 「障害の認定を受けたら、周りから馬鹿にされる」
- 「自分は病気だからダメなんだ。もう働けないんだ」
といった考え方にとらわれてしまい、本来その人に必要な支援・サービスにつながりにくくなってしまいます。
また、企業側が精神障害の方を雇用する際、スティグマがあると「精神障害の人ってちゃんと働けるの?」と身構えてしまうことにもつながってしまいます。
過去に、ユニバから統合失調症の利用者が紹介された時、「『統合失調症の人』ってどう接したらいいですか?」と企業から質問されることがありました。
松井さんはその時、「統合失調症といっても、一人一人違いますよ。その人自身を見て接してあげてください。」と答えたそうです。
そして、お話の最後にご自身の障害者手帳を取り出し、学生さんにお見せしました。
実は、松井さんも精神障害を抱えながら働かれている当事者の一人です!
手帳を持っていることを伝えられた時、その人に対しての印象も変わってしまうこともあるかもしれません。
皆さんは、どう感じたでしょうか?
松井さんは、
「視力が悪い人は、障害者とは呼ばれませんよね。メガネをかけることで、何とかやっていますよね。
精神障害についても、それくらい認識がライトになっていけば、と思っています。」
とお話されました!
後日、学生さんから様々な感想をいただきました!
「座学だけでは持てなかった、患者主体の支援について知ることができた。」
「ユニバ利用者の生の声を聞けたことが、とても良かった。」
「精神障害についての偏見・差別は周りで見聞きしたことがあり、自分の中にもあると思う。松井さんが言っていたメガネの話のように、変えていけたらと思った。」
学生さんが、とても様々なことを考えてくださっていたのだと分かり、とても嬉しくなりました!
皆さんが支援・看護する立場として、真剣に向き合っていることが伝わってきました。
学生さんのこれからの成長・活躍がとても楽しみですね!
四日市看護医療大学の皆さん、本当にありがとうございました!
