10月に入って、やっと少しずつ涼しくなってきましたね!
今回は、9月21日(土)に行われた食品ロスを学ぶ講座についての内容をお届けします!
皆さんは、食品ロスについて、これまでに何か考えてみたことはありますか?
私は「食べ残しはなるべく無いように、気を付けてはいるかな…。」という程度でした。
ですが、他にも何かできることはないのでしょうか?
今回の公演で、食品ロスの現状や、食品ロス削減のためにできる取り組みについて、色々お話を聞くことができました。
ユニバーサル就労センターともつながりのある組織の取り組みということもあり、訓練生の方も参加し、お話を聞きました。
公演の内容を少しご紹介します。
この機会に、食品ロスについて一緒に考えてみましょう!
今回の公演は、四日市商工会議所で行われました!
講師は、「食の輪よっかいち」と「四日市市役所 生活環境課」の方です。
「食の輪よっかいち」は、前身として2019年に四日市大学の「食品ロス研究会」から始まりました。
その後も組織の再編成を繰り返し、2024年に「一般社団法人 食の輪よっかいち」として認可された組織です。
「食の輪よっかいち」は、食を通じた「人づくり」と「地域づくり」を目指している組織です。
主に、食に関する講座、食品ロス削減、食のビジネス創出などを行っています。
今回は主に、食品ロスの現状と取り組みについてのお話がありました。
また、「四日市市役所 生活環境課」の方からは、四日市市の食品ロスの現状や、四日市市のこれまでの食品ロス削減の取り組みについてのお話がありました。
はじめに、そもそも「食品ロス」とは何でしょうか?
日本の定義では、「食べられるのに捨てられてしまう食品」となっています。
食品ロスには主に、
- 食べ残し
- 賞味期限切れなどでの廃棄
- 野菜の皮を厚く剥きすぎたり、食べられる部分を捨ててしまう過剰除去
などがあるそうです。
国民1人当たりの食品ロスの平均は、1日で約103g(おにぎり1個分くらいです!)。
年間にすると、なんと約38kgにもなるそうです!
食品ロスがあることで、どんな問題があるのでしょうか?
主に3つの問題があります!
1.環境悪化
食品ロスは生ごみなので、水分がとても多いです。
そのため、ごみを運搬する時だけでなく、焼却して処分する時にも余分なCO2を出してしまい、温暖化などの環境悪化につながってしまいます。
2.廃棄コストがかかる
食品ロスを廃棄するために、ごみの運搬・焼却に大きな費用がかかってしまいます。
また、ごみの処理費は多くの税金で負担されています。
3.人口増加と栄養不足
世界の人口が爆発的に増えた影響で、世界の9人に1人が栄養不足となっている現状があります。
また、日本の食料自給率は38%とかなり低いです。
世界には食事をとれない人も多く、日本国内での食料自給率もこれだけ低い中、食品ロスを大量に出してしまっているのはどうなのか?という問題です。
四日市市役所の方のお話では、ごみの処理には税金が使われているため、食品ロスを減らすことができれば、他のことにお金を回すこともできるようになるとのことでした。
具体的には、どのような場所から食品ロスが出ているのでしょうか?
食品ロスには、事業系と家庭系があります。
事業系は市場や飲食店といった、食品に関係している事業から出る食品ロスです。
食品の規格外品、返品、売れ残り、食べ残しなどが食品ロスにつながっています。
家庭系は、家庭で出ている食品ロスです。
主に、消費期限・賞味期限切れで捨ててしまう直接廃棄、作りすぎなどでの食べ残し、野菜の過剰除去 などがあります。
また、2030年までの食品ロス削減の目標があるのをご存じでしょうか?
事業系の目標は、年間で273万トン以内となっていますが…
実は、2022年度に約236万トンとなっていて、事業系はすでに達成しています!
しかし、家庭系はまだ達成できていません。
2030年までの家庭系食品ロスの目標は年間216万トンですが、2022年時点では約236万トンとなっています。
年々、徐々に減ってきてはいますが、まだまだ多い状況です。
家庭系食品ロスは、私たちにも大きく関係しているものですよね。
四日市市では、家庭系食品ロス削減のために、様々な取り組みが行われてきました。
四日市市では、「フードドライブ」という活動を行っています!
フードドライブとは、家庭などで余っている食品の寄付を受け付けて、フードバンクや子ども食堂などの団体に渡す運動です!
昨年の取り組みでは、お米やあんぱんなどの寄付が570点、185.5kgもあったそうです!
家庭からの寄付だけでなく、たまたま歩いている時にこの取り組みを見かけて、近くのスーパーで食品を買って寄付してくださった方もいたそうです。
★今年(令和6年)は、12月14日(土)10:00~15:30に、じばさん三重1階で開催されます!
詳しくはこちらをご覧ください!
また、社会福祉協議会(総合会館2階)では、食品を寄付できる窓口があるそうです!
こちらの窓口では、いつでも寄付できるそうです!
詳しくはこちらをご覧ください!
どちらも「遠くて行けない…」という方などもいらっしゃると思います。
実はファミリーマートでも、食品の寄付を受け付けているそうです!
詳しくはこちらをご覧ください!
(※実施店舗もご確認ください!)
こういった「寄付」という形でも、食品ロスを減らすことができる ということを私も初めて知りました!
特に、コンビニでもこのような取り組みが行われていることに驚きました!
コンビニは全国各地にあるので、利用もしやすいですね!
今回の公演を聞いて、食べ残しを減らしたり、賞味期限切れに気を付けることだけでなく、「寄付」という形でも食品ロスを減らすことができると学べました!
「寄付」という形は、あまり知られていないのではないでしょうか?
私は過去に、賞味・消費期限がギリギリの保存食が家に大量にあることが分かり、食べきれない量でどうすればいいか悩むということがありました。
寄付できるということを知っていれば、捨てずに済んだかもしれませんね…。
今後さらに寄付という活動が広がって、食品ロスが減っていくと良いのではないかなと感じました。
訓練生の方も、講演後に積極的に手を挙げて質問もされていましたね!
過去にごみ回収の仕事をされていた訓練生の方からは、「ごみの回収をしていて、生ごみの多い家庭と少ない家庭があると感じましたが、どうしてでしょうか?」といった質問もありましたね。
講師の方によると、子どもがいる家庭は食べ残しが多い傾向があるそうです。
また、高齢者のいる家庭でも、買いすぎ・買い置きをしてしまうことで多くの食品ロスが出やすいとのことでした。
中には、食品を捨てることに抵抗が無い人もいるのかもしれないというお話もありました。
各家庭で、食品ロスを減らすための知識をつけ、実践していくことも、大切になってきますね。
今回の公演は、訓練生の方にとっても、食品ロスについて見直す良い機会になったのではないでしょうか?
皆さんも、できることから取り組んでみませんか?
講師の皆様、貴重なお話をありがとうございました!
第2回 スーパーの現場から学ぶ
10月12日(土) 13:30~15:30 スプラウト/スーパーサンシ一番街店
スーパーサンシ株式会社の方が講義を行います。
食品の品ぞろえや流通のしくみ、食品ロス削減の取り組みや、その課題についてのお話があります。
講義はトレーニングカフェ スプラウトで行われますが、その後、実際に近くのスーパーサンシ一番街店へ見学に行きます!
スーパーサンシの方も、
「食品はまとめて仕入れることしかできないため、どうしても食品ロスにつながってしまうところがあり、悩んでいる」とお話されていました。
内訳では、野菜の食品ロスが一番多いそうです。
また、惣菜は半額にしても売れ残ってしまうことが多く、悩まれているそうです。
お客様の立場からも、食品ロスを減らすためにどんな取り組みができるか教えてほしいとのことでした。
スーパーサンシの方と直接意見交換ができる貴重な機会です!
第3回 卸売市場の現場から学ぶ
11月9日(土) 5:30~7:30 北勢地方卸売市場
北勢地方卸売市場で行われる講義です。
卸売業・仲卸業の役割や仕組み、発生する食品ロスの現状と、その対応についての講義があります。
北勢地方卸売市場では、青果の売れ残り・冷凍焼けによる廃棄などで、食品ロスが1日に300kg近く出ていて、どうすれば良いか悩んでいるそうです。
また、日持ちがしない水産物の食品ロスも大きな課題になっているそうです。
北勢地方卸売市場は、普段は一般の方が入ることはできない場所ですが、今回の講座では特別に一般の方が内部に入ることができます!
朝6時~7時に青果の競りが行われていますが、その現場も見学することができます。
朝5時半からという、かなり早い時間帯での講義ですが、普段入れない場所に行けるチャンスです!
第4回 農業の現場から学ぶ
12月14日(土)13:30~15:30 うつべ農園
米・野菜作りの農業についてや、食品ロスに対する考え方についての講義が、トーク形式で行われます。
農業と聞くと、高齢の方が従事されているイメージが強いかもしれませんが、うつべ農園のスタッフの方は10代~30代とかなり若いそうです!
「今年はなぜお米が不足しているのか?」や、「温暖化でどんどん高温になっている影響もあり、この先どんな農作物を作っていったらいいのか?」などについてのお話があります。
また、農場見学もあります!
駐車場が20台分しかないため、なるべくまとまってご来場ください。