本格的に冷える日が増えてきましたね!
11月13日(木)の午後、トレーニングカフェSprout(スプラウト)にて、職員研修を行いました!
今回のテーマは「企業視点で進める就労支援」です!
はじめに、障害者雇用ドットコムの代表 松井優子さんという方のセミナー動画をスタッフ皆で視聴しました!
松井優子さんは、民間の教育機関にて、これまでたくさんの知的・発達障害の方の教育・就労に携わってこられました。
また、特例子会社の立ち上げや事業創出に関わり、障害者就労の業務拡大、採用、育成、雇用管理などをされてきました。
そのため、企業視点での就労支援の重要性をよく理解されている方です!
ユニバにとっても重要な視点のため、今回セミナー動画を利用させていただきました!
そもそも、どうして今の時代に企業視点に立って考える必要があるのでしょうか?
これまで日本では、「一定以上の規模の企業は、従業員のうちこれだけの割合で障害者を雇ってください」という「法定雇用率」が設けられ、全国の企業が障害者の雇用に取り組んできました。
2025年11月時点では2.5%になっていて、今後引き上げも予定されています!
この「法定雇用率」の制度は1976年から始まりました。
最初は、企業側も「とりあえず雇用率を達成させるために雇えばいいか…」という考え方が主流でした。
しかし、企業もこれまで障害者を雇用してきて、様々な経験をしてきました。
そのため、障害者を雇う際に「ちゃんと成果を出してくれるのかな?」「組織にどんなふうに貢献してくれるのかな?」という不安が生まれるようになりました。
結果として、昔に比べて、障害者雇用の基準も厳しくなってきているということになります。
ユニバ(就労移行支援)で、利用者の方に普段から訓練を頑張ってもらうことももちろん大切です。
しかし、支援員側が企業にうまく利用者の方について伝えることができないと、せっかくその利用者に働く力があっても、採用が遠のいてしまうこともあるそうです!
企業が障害者の雇用の判断をするとき、
- 「この人は何ができるのか?」
- 「職場の一員として、周囲と一緒に働けるか?」
- 「教えたことが、再現として定着するか?」
という視点を持っています。
障害者を雇用したことが無い企業は、「どんなことが起こるか分からない」という不安、
過去に雇用してうまくいかなかった経験のある企業は、「また失敗するかも」「チームに影響が出るかも」といった心配がついてまわります。
支援員が、障害のある方を企業に紹介するとき、「配慮してあげてください」だけでは、こういった企業の不安や心配の解決の糸口が見えず、採用が見送られてしまうことも…。
そのため、伝える際には「4つの視点」を押さえることが大切になるそうです!
1.生産性
「どこで力を発揮できるのか?」を具体的に伝えます。
得意な作業形態(繰り返し作業、変化のある作業…)、集中力が続く時間や条件、作業スピードや正確さ といったことです。
【例】「伝票番号を見て順番通りに仕分ける作業は、短時間で正確に処理できます」
2.再現性
どんな条件や環境が整えば、安定して成果を出せるかを伝えます。
【例】「作業開始前に手順を復唱する習慣で、ミスを大幅に減らせています」
3.チーム適応
どうすれば報連相や、周囲との関わりがスムーズにいくかを伝えます。
【例】「進捗報告は作業表に記入してもらうことで、双方が確認しやすくなります。」
4.見通し
苦手なこと・課題があっても、それを解消・緩和するための具体的な方法があるかどうか伝えます。
【例】「急な予定変更で混乱しやすいですが、変更内容を紙に書き出すことで、落ち着いて対応できます」
企業は、「できないこと」が聞きたいのではなく、
- 「職場でどう機能し、どう貢献してくれるのか?」
- 「困りごとがある・起きた場合、どういう工夫や対処ができるのか?」
を具体的に知りたがっています!
福祉では、利用者の支援が中心のため、個人を大切に見て支えますが、
企業では、利益を出してくれるか?という考え方のため、成果や組織への影響といったところを見ます。
こういった視点のズレに気づかないと、利用者の就職もうまくいかなくなるということですね。
講師の松井優子さんは、こういったことを「支援員による翻訳」と表現されていました!
支援員の役割として、企業が理解しやすい「翻訳者」になることが大切になるそうです!
その後、職員で感想や、今後の支援の仕方について話し合いました!
利用者の面接に何度も同行している中井さんは、「今回のセミナーで言っていたことは、まだまだ甘いと感じますね。」とお話されました。
最近もたくさんの方の面接同行をされている中井さんですが…
中井さん「実際に企業に面接に行くと、もっと厳しいことを言われます。
「こういったことに配慮してください」と支援員が翻訳をしても、企業側から「無理です。そんな時間はありません。自分で対処してください。」と言われることもよくあります。
これまで、「とりあえず雇って数字だけ達成できたらいいや…」と考えていた企業では、何もない部屋に障害者の方を移動させ、
そこで「ぼーっとしてていいよ」と言って何もせず時間を過ごしてもらう、ということもあったみたいですけどね…。」
松井さん「そういうところは今は減っていますね。よっぽど黒いところか、お金に余裕がある企業だけだと思います。
今は、どの企業も余裕がありません。
お金がなく、健常者でもリストラされたり、電気代すら切り詰めていたりもします。
そんな中で障害者を雇わないといけないとなると、企業からするととても大変だという印象になりますね。
結果として、自分で色々できてもらったほうが良い、ということになります。
企業の視点に立つことは皆さん苦手かもしれませんが、身に着けていく必要もあります。
ですが、福祉としてのバランスも大切です。」
清水さん「こういった、企業にとって必要な力を、利用者に段階を見ながら話しています。
そこで逃げずにコツコツまじめに頑張られていた方は、今就職につながり、うまくいっています。
ですが、逃げる方はうまくいかないですね…。」
本人の「働きたい」「変わりたい」という意志やモチベーションが無いと、持ちこたえられないよね、と皆さん頷かれていました!
また、企業視点で就職活動をすることについては、利用者本人も特性などにより、理解が難しいケースもあります。
ユニバは福祉のため、利用者の視点に立ち、スタッフが優しく支援してくれます。
そのため企業側の視点が欠けてしまうことがあります。
実際の面接で、
利用者「週5日、安定して通えています。」
面接官「いつからですか?」
利用者「ええと…1か月前からです。」
面接官「それじゃ全然だめだね。せめて3か月~半年くらい安定してくれてないと。」
といった風に、面接官からズバズバと厳しく言われたことで、初めて「今のままじゃいけないんだ…」と自覚される方もいます。
ユニバには2年間通えますが、2年といってもあっという間に過ぎていきます。
この短い期間で、本人がどれだけ成長できるかもカギになってきます!
また、親御さんが利用者のお金を全て管理しているというケースも多く、
「親にお金出してもらえるから」「自分で管理しなくていいから」と、
お金を稼ぐモチベーションがそもそも無く、働く意欲につながっていない方も多いです。
また、それによって金銭管理が身についていないために、就職後でも、もらったお金をすぐ使い果たしてしまうという方もかなり多いです。
そういった方向けに、どういった支援が必要だろう?と様々な案も話し合われました!
金銭管理の講座もこれまで何度も行ってきましたが、それでも難しい方もいます。
より良い支援方法があれば取り入れていきたいですね、というお話をしました!
施設長の松井さんは、今回の「企業の視点」については、利用者にも今後講義をする予定とお話されていました!
今回は、少し厳しい現実について話し合う回となりましたね。
ユニバに来たばかりの方など、まず安定して通うことが目標の方にはハードルが高い内容でもあるため、それぞれの段階に合った支援も大切です。
ユニバは利用者の方の段階を見極めながら、企業視点での対策の大切さについても伝えていきます。
一緒に就職に向けて頑張っていきましょう!
